さて、5月末にミラノからアルマーニ、プラダなどからクリエーター集団をお迎えしたAKIHIKO IZUKURA/ひなやですが、ここNYにもIzukuraのもの作りに魅了された大物デザイナーがいます。
そもそも、さかのぼることほぼ15年。娘さんをつれてひなやを訪れ、瞬く間に帯やスカーフなどのお買い物の山を築いてしまったデザイナーがいました。こんなクリエーターが日本にいたのかと驚愕しつつ、ご自身のデザインのインスピレーションにしたいとの情熱を見せてくださったのですが、なかなか日米でのコミュニケーションがとれず、いつしか時は流れてしまいました。
その時が来たのは、それから10年以上も経過した2002年のこと。AKIHIKO IZUKURAが本格的にアメリカでの販売を開始しようと、ウエブサイトを立ち上げた6月のことです。突然のメールで「今すぐ、会いたい。あなたは、あのIzukuraか?」との問い合わせが! もうお気づきの方もいらっしゃるかも知れませんが、メールを送ってきたのは、あのダナ・キャラン(もちろん、アシスタントが代行していますが)。その日のうちに山のようなサンプルを持って、ダナのアトリエに向かうことになりました。
写真中央は当時のDKディレクター、アナベル氏
「ずっとあなた(Izukuraのこと)を探していた。いつNYに来たのか? いっしょにもの作りができないか?」との問いに応えて開始したのが、スカーフの開発と生産協力です。このコラボレーションからダナキャランのコレクションラインに採用されたスカーフで代表的なのが、「RAKUFU」(楽布)です。当初は2002年のコレクションのテーマだったサファリのイメージから、カラリと乾いた大地を表現した柿渋がけの2トーンスカーフを提案。現在に至っては、クリア樹脂を使用した独特のシャリ感とシルクの光沢を持つ新スタイルの楽布も登場。ダナの思い描く洗練された都会の女がサラリとまとうスカーフとしてロングセラーとなっています。
楽布 (Rakufu)
このコラボレーション、まったく違うスタイルを持つ2人のクリエーターが、お互いの意匠の持ち味をすりあわせたり、時には激しくぶつかりあわせたりしながら作り上げていくもので、厳しい時間制限のもと、日米でのやり取りを通じてサンプルを作り上げていきます。時には丁々発止(!)の真剣なやり取りも。そんなホットな関係が長続きするのも、お互いのデザインに対する理解と信頼があるからでしょう。
近々には新作「オペラ」ショールをダナのアトリエにて提案する予定です。さて、どうなることやら。。。
オペラ (Opera)
HINAYA U.S.A.代表
渡邉 美賀